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ニューロノードユーザーの声:大塚喜一さん

日本初のユーザーである大塚さんに、ニューロノードの使用感についてインタビューしました。

大塚さんは、ALSの患者であり、気管切開で声を失われました。そのため、会話には多大な労力がかかる状況です。今回のインタビューには、大塚さんの奥様同席でご対応いただきました。

大塚さんは2021年春から重度障害者用、意思伝達装置としてOrihime eye+SwitchとPPSスイッチを使われていましたが、病状の進行によりPPSスイッチの使用が困難となり、2022年夏頃にOrihime eye+Switchの使用を諦めました。その後会話は限定的となり透明文字盤に依存する毎日になりました。

そして2023年1月にニューロノードを新たなスイッチとして導入いただき、Orihime eye+Switchの使用を再開することができました。Orihime eye+Switchとニューロノードで文章を作成し、以前録音したご自身の声でその文章を読み上げて会話することがまた可能になったのです。

Q&A形式で大塚さんにニューロノードについてお伺いしました。

Q. ニューロノードを使ってどんな方々と、どのように会話をされていますか?
A. LINEやメールで作成した文章を送っているほか、気管切開前に登録した自身の声で言葉を伝えています。相手は、家族やヘルパーさんと同窓の仲間たちです。

家族の中でも特にお孫さんたちとの会話で、お孫さんたちが遊びに来たときにご自身の声で「今日はありがとう」と話すことができ、お孫さんたちが「じいじがしゃべってる〜」と、とても喜んだそうで、ご自身の言葉をご自身の声でまた伝えることができる素晴らしさを実感されました。

Q. 今回ニューロノードを使ってみてよかった点はなんでしょうか?
A. これまで使っていたOrihime eye+Switchをインストールされたパソコンも連携して使えるようにしてもらえたことです。このことで下記が可能となりました。
●今まで使っていたパソコンが使える
●今まで蓄積したデータをそのまま使える(自分の声、住所録など)
●LINE、メールができ、家族、友人と再びつながることができる
●保存している写真、動画を見ることができる

Q. ニューロノードが他と比較して優れていると思われるポイントはなんでしょうか?
A. 少しでも動かせる箇所にどこでも装着できる点。もしその筋肉を動かすのが難しくなっても、また別の動く箇所を見つけて継続して使うことができます。また、感度がよいので、楽にスイッチできる点を評価しています。

以前使用していたPPSスイッチは、位置がずれやすく、その為うまく動作しないことがよくあり、精神的にも肉体的にも非常に疲れてしまい、遂に使用を諦めたとのことです。ニューロノードはEMG(筋電図)を使用しているため、わずかでも動くところに装着することで疲れず継続的に使える点を高く評価いただきました。

今回、大塚さんにニューロノードを導入いただいたきっかけは、弊社Control Bionicsがお手伝いしている、ALSの権威である東邦大学病院の狩野教授からのご紹介でした。使い慣れたOrihime eye+Switchをまた使いたいという大塚さんの熱意と新しいテクノロジーへの積極的な挑戦、そして奥様やヘルパーの方々のご支援によりニューロノードの導入が実現しました。

加えて、とても嬉しかったのが、大塚さんがニューロノードご購入に際し、2023年1月に東京都にスイッチとしての公費補助の申請をし、長い審査期間を経て3月に見事に通ったことです!公費制度(補装具 重度障碍者用意思伝達装置)修理基準でニューロノードが筋電式と認められ、8万円の公的補助を受けることができました。

大塚さんのご協力により、ニューロノードは、より多くの患者さんの人生を支える為の大きな一歩をさらに踏み出すことができました。

最後に大塚さんからのメッセージです。

「日々できなくなることばかりの中で、できることが増えた事は大きな喜びです。ニューロノードは生きていくため、人と繋がるため、自分の気持ちを伝える為に必要なものです。このスイッチなら、今だけではなく、今後病気が進行しても長く使っていけると思っています。」

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